デザイナーが心得ておくべき印刷・製本の知識
デザイナーがより良いデザインを作成し、クライアントの期待に応えるためには、印刷・製本の基礎知識が不可欠です。単に美しいデザインを作成するだけでなく、印刷された際の仕上がりをイメージし、印刷工程で発生する可能性のある問題を事前に予測することが重要です。
印刷に関する基礎知識
解像度
印刷データは、印刷機で読み取れる解像度(dpi)で作成する必要があります。一般的な印刷では300dpiが推奨されます。
色空間
デザインソフトで作成したデータの色空間(RGB、CMYKなど)と、印刷機で再現できる色空間は異なります。印刷ではCMYKモードを使用することが一般的です。
用紙の種類
印刷物の用途やイメージに合わせて、用紙の種類(コート紙、マット紙、上質紙など)を選びます。それぞれの用紙には、インクの乗りや質感、耐久性が異なります。
トンボ
印刷物の断裁位置を示すためのマークです。トンボがないと、印刷物が意図したサイズにならない可能性があります。
裁ち落とし
印刷物がカットされた際に、意図しない白い部分が現れないように、デザインの端まで画像や文字を伸ばすことを裁ち落としと言います。
製本に関する基礎知識
製本方式
中綴じ、無線綴じ、上製本など、様々な製本方式があります。それぞれの製本方式には、特徴や適した印刷物があり、デザインのレイアウトや構成に影響を与えます。
折り方
中綴じの場合は、折り目が自然に見えるように、デザインを考慮する必要があります。
綴じ代
製本方式によって、綴じ代が必要な場合があります。綴じ代を考慮しないと、文字が切れてしまう可能性があります。
背見返し
本を開いた時に見える部分で、デザインの一部として扱われることもあります。
デザイナーが注意すべき点
印刷所の指示に従う
印刷所によって、データの仕様や入稿方法が異なるため、必ず印刷所の指示に従いましょう。
校正を丁寧に行う
印刷前に、デザインデータに誤りがないか、入念に校正を行いましょう。
印刷サンプルを取り寄せる
印刷物のイメージを確認するために、印刷サンプルを取り寄せることをおすすめします。
印刷・製本の知識は、デザインの完成度を大きく左右します。デザイナーは、印刷工程を理解し、印刷所と連携することで、クライアントの期待に応える高品質な印刷物を作成することができます。